私がエンジニアではなくディベロッパーを名乗る理由

May 8th, 2021

Why call myself a developer?

私はいわゆるソフトウェアエンジニアという職業でこの4月より社会人生活をスタートさせたわけだが、特別な事情がない限りは極力自分のことをエンジニアと名乗らないようにしている。

もちろん、場面によっては自らのことをエンジニアと名乗らざるを得ない時もあるが、その時も"ソフトウェア"エンジニアや、"アプリケーション"エンジニア、と言った具合に可能な限り接頭語(?)ををつけることを心掛けている。

先日新卒プログラマーがGatsbyで個人サイト兼ブログを作ってみたという記事でQiitaデビューを果たしたのだが、そこでも「エンジニア」という単語は一切使っていない(*1)。

代わりに、プログラマーやWebアプリケーション開発者という単語を用いて自らを形容している。

もちろんこれは単純に私の好みの問題で、別に他の方がどういった名称で自らのことを形容しようが完全に自由だと思っている。

それを踏まえて、なぜ私がエンジニアという呼称を避けてディベロッパーを名乗るのか、について本日はポエムする。


Engineer is a broad term

エンジニアという単語が何を指すか、は文脈によって多岐に渡る。何もエンジニアという名称はソフト屋さんの専売特許ではない。

むしろ、ハード系の方々の方が本来のEngineer(工学者)の意に近いのかもしれない。私には工学の専門性がないからその辺は全く分からんが。

他にも例えば音楽業界にはレコーディングエンジニアという職業が存在し、彼らも立派なエンジニアである。

故に、単にエンジニアと一言でまとめるにはこの職業は少し広すぎるのではないかと個人的に感じている。

また、IT業界という文脈に限った話でも、エンジニアという単語が指すところには随分と違いがある。

日本ではいわゆるSIerの方々がSE(システムエンジニア)を名乗っており、世間一般的にはIT業界の文脈で「エンジニア」というとSEの方々も我々開発側も同職種だと思われている節があると感じている。

個人的には、この風潮には少し違和感を感じている。


SE !== ( SWE || SDE )

そもそも私が本格的にソフトウェア開発職を志望したのは大学4年生になってからで、B1の頃から開発系のインターンをやったりアプリをリリースしているいわゆる”つよつよ”な方々に比べると遅咲きと言える。

ではそれまでは何を目指していたかというと、上で述べた所謂SE(システムエンジニア or ソリューションエンジニア)という職種で就職活動をしていた。

3年生の12月時点では某外資系ソフトウェアベンダーにSE職で内定を頂き、その2ヶ月後には某外資系コンサルティングファームからもSE職で内定を頂けた。

私もそれなりにこの結果に満足し、その時点で一旦就活を終えていた。

この頃の私は内定を頂いているにも関わらずSEという職業が何をする仕事なのか全く分かっていなく、面接でも教育格差がどうだとか全く関係ない内容についてベラベラ喋っていた記憶がある。

その後、内定を頂いたコンサル会社から内定者懇親会という名目でオフィスに呼ばれ、実際にSEで働く社員の方々から仕事内容について伺ったりする機会があった。

その時社員の方々から話を伺うにつれて、私が想像していたSEという職業の仕事内容と実際のSEという職業の仕事内容にはかなり乖離がある、という事に初めて気がついた。

いわゆるSEという職業の方々の1日の大半はお客さんとお話をして要件定義をしたりエクセルで資料や設計書を作成することに注がれているというのだと言うことに、その会社で働く複数のSEの方々とお話をしてようやく知ったのだ。

では、実際のシステムは誰が開発しているのか?と質問すると、それは中国やインドにある開発部隊に丸投げされているというのだという。

また、彼らの話を聞いて、彼らは『上流工程こそが高貴な仕事で、開発などの下流工程は外国の下請けに流せばよい』という認識を持っていることに気がついた。(もちろん、彼らが実際にここまで直接的な表現をしたわけではないが)

そこで私は「モノ作りをする人がいるから上流工程の仕事に価値が生まれるのではないか」、という疑問を抱き、その翌日にそのコンサルティングファームの内定を辞退した。

無論、実際に仕事を始めた今ではシステムの企画・設計・デザインをする方々、テスト・QA・運用保守をする方々、そのシステムを営業する方々がいるから開発に光が浴びるという考えに変わり、システムに関わる全ての人々に頭が上がらないがそれはまた別のお話なのでここでは割愛する。

そんな経緯でSE職の内定を辞退してから開発職を目指して勉強を始め、開発の長期インターン実務経験などを経て今に至るので、私にはこの2者は全く別の職業であるという認識が人一倍強い。


What I am doing is developing

ソフトウェア開発者としてキャリアをスタートさせたばかりのど素人なので、私はまだソフトウェア開発の真髄を味わっていないだろう。

それでも私は今のところこの仕事が好きだ。

そして、開発者(ディベロッパー)であることに誇りを持っている。

だから私は、これからもディベロッパーを名乗り続けようと思っている(*2)。


補足

  • *1 タグは除く。
  • *2 勝手に名乗ってろというツッコミは勘弁。ポエムは突っ込んだら負けなのだ。